― タモキシフェンを分解する力を遺伝子で調べます ― CYP2D6遺伝子チェックテスト
CYP2D6について知る

遺伝子を調べるとわかること

わたしたちの染色体上に存在している遺伝子は、わたしたちの容姿や性質、個性などを決定する情報が含まれているため「生命の設計図」とも言われています。この遺伝子の遺伝情報を親から子に伝達する物質がDNA(デオキシリボ核酸)です。
DNAは糖・リン酸・塩基(A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシン)からなるヌクレオチドという分子が二本のらせん状につながった非常に長い分子です。DNAの二本のらせん状構造の内側では、塩基が対になって連なっており、この塩基の並び(塩基配列)が遺伝情報とよばれるものの正体です。

遺伝情報

現在、この塩基の並びは、約99.6~99.9%が共通で、個人により異なる箇所は約0.1~0.4%とされています。この0.1~0.4%のわずかな違いが、一人ひとりの体質の違いを生んでおり、その体質の違いは、主に下の図のようなプロセスで生じます。

体質の違い

*私たちの神経細胞や骨、臓器といったものはすべてタンパク質からできています。

つまり、塩基の並びの違いを調べれば、一人ひとりの体質の違いがわかるのです。また、DNAの塩基の並びは一生変わることがないため、それによって決定される一人ひとりの体質の基本は一生変わることがありません。
この遺伝子テストでは塩基の並びを調べています。ある特定の塩基に変異があると、薬を代謝する力が弱くなったり、特定の疾患にかかりやすくなることがわかっています。(変異とは、ある集団において比較的少数存在する塩基の並びのタイプを指します)
わたしたちは、父親と母親からそれぞれ1つずつ(1対)の遺伝子を引き継ぎますが、どのような塩基の並びをもった遺伝子を引き継ぐかで下のような3つのタイプに分類できます。

3つのタイプ

CYP2D6は薬を分解する酵素で、タンパク質でできています。CYP2D6遺伝子に変異があると、タンパク質の性質が代わるため、薬を分解する力にも影響がでてしまうのです。