抗血栓薬。医薬品としてはワルファリンカリウムが用いられます。血管内で血液が固まるのを防ぐ作用があるため、心筋梗塞や、心房細動など不整脈により生じる脳卒中を始め、血栓や塞栓に起因するさまざまな病気に広く使用されています。 血液凝固因子の合成に不可欠なビタミンKの作用を阻害することによって、凝固系の働きを抑制し、抗血栓効果を発揮することからビタミンK拮抗薬とも呼ばれています。

CYP2C9により代謝される薬剤としてワルファリンカリウム（抗凝固薬）が有名ですが、下グラフでは、遺伝子変異とワルファリンカリウムの代謝活性の関係を示しています。

CYP2C9にはCYP2C9*3の変異をもつタイプがあり、CYP2C9*3の変異を１つもつと、代謝活性が約半分以下になり、CYP2C9*3の変異を２つもつと、代謝活性は10分の1以下に減少すると報告されています。

CYP2CPが代謝するすべての薬物が同じように「10分の1以下しか代謝されない」というわけではありませんが、CYP2CP遺伝子が酵素活性の弱いタイプの方に、CYP2C9で代謝されるワルファリンカリウムのような薬剤の投与をおこなう際には、注意をはらう必要があります。

• Takahashi et al. (1998) Metabolism of warfarin enantiomers in Japanese patients with heart disease having different CYP2C9 and CYP2C19 genotypes. Clin Pharmacol Ther.

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