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「おくすり体質検査」とは

「おくすり体質検査」とは、体内で薬剤の代謝に関わる酵素の遺伝子を調べる検査です。

薬剤の投与量や投与方法は、数十人~数千人規模の臨床試験で検証され、決められています。
ここで設定された薬剤の投与量は結果的に効果や副作用の発現が平均的なタイプの人にとっての最適量となります。
しかし、薬剤が実際に市場に出回り、非常に多くの人々に使用されると、思わぬ副作用が一部の人たちで見られることがあります。これは、薬剤の代謝には、個人によって差があるため、添付文書で記載されている用量に従い投与した場合、一部の人にとってはその用量が多すぎてしまうことが理由のひとつとして考えられます。このような差は、主に個人ごとの遺伝子の違いによってもたらされます。

たとえば、薬剤の主な代謝酵素であるCYP2C9やCYP2D6などでは遺伝子の違いが薬剤の代謝に大きな影響を及ぼすことが分かっており、ワルファリンを代謝するCYP2C9では、2対の遺伝子が「ともに変異なし」のタイプに比べ、「ともに変異あり」のタイプでは、その代謝能力に10倍以上の差があるという報告(注1)もあります。

このような遺伝子の違いによって、たとえ添付文書に記載された用法・用量で薬剤を服用したとしても、薬剤を代謝する能力が強い人では、血液中の薬剤が治療域までに達しないことで薬効が見られなかったり、逆に代謝能力が弱い人では血液中の濃度が高くなり副作用が発生したりすることがあります。

特に、薬剤が効き過ぎた場合は、副作用が発生するリスクが生じますが、まれではありますが重篤な副作用が起こる可能性があります。「おくすり体質検査」は一部の薬剤に対して、「おくすりが効き過ぎてしまう体質」かどうかを検査し、副作用を回避するためのリスク判定にお使いいただくことで、広く一般の方にわかりやすい形でご提供するものです。遺伝子検査の結果は一生変わりません。検査後も最新の薬剤情報を検査された方に随時ご提供することにより、検査によってわかった体質に対してのソリューションを生涯にわたってフォローしてまいります。

「おくすり体質検査」は、患者さまの遺伝的背景を考慮し、科学的根拠に基づいて各個人に効果的な治療・投薬方法を提供する「テーラーメイド医療」によって、患者さま個人の「QOL(生活の質)」向上とともに、薬剤副作用から派生する医療費の軽減など、医療費抑制に貢献しうるサービスと考えております。

注1 Takahashi et al. (1998) Metabolism of warfarin enantiomers in Japanese patients with heart disease having different CYP2C9 and CYP2C19 genotypes. Clin Pharmacol Ther.