― タモキシフェンを分解する力を遺伝子で調べます ― CYP2D6遺伝子チェックテスト
CYP2D6について知る

タモキシフェンとの関連

タモキシフェンは、乳がん患者全体の約7割にあたるホルモン受容体陽性型の方に広く使用されるホルモン療法の標準治療薬ですが、抗がん作用を発揮するためには、タモキシフェンが肝臓にあるCYP2D6という酵素で代謝(分解)され、高い活性を持つ代謝物エンドキシフェンに変換されなければなりません。しかし、CYP2D6には多くの遺伝子タイプのバリエーションが存在し、CYP2D6の代謝機能が低い、もしくは代謝機能を全く持っていない遺伝子タイプを持つ方の場合、タモキシフェンの効果を得にくいことが、いくつかの試験で示唆されています。ただし、代謝機能が低い、もしくは代謝機能を全く持っていない遺伝子タイプを持つ方であっても、タモキシフェンを増量することによって、エンドキシフェンの血中濃度が平均的な代謝機能をもつ遺伝子タイプの方と同程度になることが複数の論文で報告されています。また、タモキシフェンと同じ働きをし、CYP2D6以外の酵素で代謝される薬剤(成分名:トレミフェン 商品名:フェアストン)をタモキシフェンの効果が見られない患者に投与する臨床試験も行われています。

タモキシフェンとの関連