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ゲノム科学の進歩が医薬品開発に与えた影響
--新薬開発に重要視されてきたPGxとアジア圏--
 2000年にヒトゲノムの解読終了宣言がなされ、その後、遺伝子解析技術が急速に進歩したことから、ライフサイエンス業界は個に適した医療、すなわちテーラーメイド医療の実現に向かって動いています。この実現にはファーマコゲノミクス(PGx)が必須であり、PGxはpharma(薬理)とgenomics(ゲノム学)が1つになった研究領域および概念的手法です。
  米食品医薬品局(FDA)によると、PGxは「個人の遺伝子情報をもとに薬剤反応を予測することが可能なサイエンス」と位置づけ、米FDAゲノム学アソシエイト・ディレクターのFelix Frueh氏は、PGxを用いることで「適時に適切な患者へ、適切な薬剤と投与量を与えられるようになる」と述べています。つまり、個人の体質に合った治療法で、副作用を最小限に抑えながら病気を治すことが可能になると期待されています。これがメディビックの目指しているテーラーメイド医療です。
  欧米ではPGxを用いた臨床試験の推進に早くから取り組んでおり、特にFDAは遺伝子多型や遺伝子発現解析検査のガイダンス発表を経て、2005年3月に最終版のPGxガイダンスを発表しました。さらに2006年5月末には、初めてPGx概念をもとにした抗がん剤の臨床試験が米国で開始される発表もあり、米国政府は着実にテーラーメイド医療の足場を固めていっています。
  一方、日本の厚生労働省はPGxの利用指針作成に取り組んでいるものの、PGxを国内の治験にどう活用するか具体的にまだ決まっていない状況です。しかし、日本も少しずつテーラーメイド医療の確立に向けた動きが見られ始めています。
  以上のことから、6年前に解読されたヒトゲノム情報が、いま世界の医療医薬品開発に実用化され、今後の医療現場を大きく変えようとしているのです。
  なお、大きく変わりつつある医薬品開発に関連して、アジアのバイオテクノロジーに注目が集まっています。この背景には、特に欧米の製薬企業が増大する新薬の研究開発費を抑制する目的もあり、これからの創薬にアジアは欠かせない存在となるでしょう。
  MediBIC Viewでは、週変わりでテーラーメイド医療の実現に不可欠となるPGxとバイオマーカーに関連したトピックスを、また、月変わりでバイオテクノロジーの発展が期待されているインド、中国、韓国などのアジア圏に焦点を当てたトピックスをもとに、さまざまな切り口と弊社の視点を交えながら報告していく予定です。
   
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