テーラーメイド医療を意識した日本の大学病院の動き
 日本でテーラーメイド医療が臨床的に表面化し始めてきている。6月10日の日経新聞
(夕刊)によると,国内の大学遺伝子診断をもとに抗血栓薬や結核治療薬の投薬量を調整するための臨床研究が開始されるとのことだ。遺伝子診断結果をもとに投薬量を調整するということは,患者の体質に適切な量の薬剤を投与し,結果,副作用も抑えられることである。
 これまで遺伝子診断を行わない通常の薬剤投与療法で副作用が発現した場合,その副作用を抑えるために別の薬剤を処方するというイタチごっこを繰り返していた。しかし,予め体質を確認することで適切な処方量で無駄な副作用を回避できるうえ,副作用を抑えるために別の薬剤を処方することも回避でき,薬剤費の軽減につながる。テーラーメイド医療が医療経済的にも貢献できると期待されているのはこのことである。
 また,既存薬剤の有効性を向上させるため,遺伝子診断を用いて既存薬を使い分ければ患者だけでなく,製薬企業にとっても新たに医薬品開発費の回収につながるのではないだろうか。