候補化合物に復活の機会をもたらせるか---候補化合物を再評価するビジネス
2006年5月23日,医薬品開発業務受託事業を展開するシミック株式会社は,国内で何らかの理由で保留となった 臨床開発段階の医薬品候補化合物を,米国KineMed, Inc.に提供して同化合物の再評価を行い,開発当初と異なった疾患に対する 別の薬効を検討する。化合物に新たな付加価値をつけることで,多面的に医薬品の発掘を行う戦略的提携を結んだことを発表した(リンク)。 通常の創薬プロセスとして,シード化合物の発見から承認取得に至るまでの期間は平均15〜17年,そして成功確率は約11,000分の1と いわれている。上市されなければ製薬企業は長期にかかった研究開発費の回収も難しく,また上市に至らなかった大量の医薬品候補化合物が日の目を見ることなく埋もれてしまっているのも事実だ。 同様な事業を株式会社そーせいも行っており,このようなサービスが出てくる背景に,プロトタイプ化合物数が低下していること,増大している研究開発費の抑制,そして創薬の生産機会を効率的に多くさせようとする試みがうかがえる。 かつて,睡眠導入剤として上市されたサリドマイドは催奇性を有することが分かり,発売中止になったものの,現在抗がん剤としての有用性が見出されて復活を果たしつつある。上市されなかった大量の薬剤候補から,再度日の目を見られる化合物をどの程度探索できるかが,このビジネスの成功にかかっているだろう。